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NHK朝ドラ『風、薫る』を見て、「主人公って実在の人がモデルなの?」と気になった方は多いと思います。答えは、実在します。しかも主人公は2人。見上愛さん演じる一ノ瀬りんと、上坂樹里さん演じる大家直美、それぞれにモデルがいるんです。この記事では、2人のモデルの生涯と、ドラマと史実で違う点までまとめました。
『風、薫る』の主人公2人にはモデルがいる
まず結論から。主人公2人のモデルは、実在した看護師です。
見上愛さん演じる一ノ瀬りんのモデルが、大関和(おおぜき ちか)。上坂樹里さん演じる大家直美のモデルが、鈴木雅(すずき まさ)です。2人とも、明治時代に「トレインド・ナース」(きちんと訓練を受けた看護師)として看護の世界を切り拓いた人たちでした。
ただ、ひとつ知っておきたいことがあります。NHKはこの2人を「モデル」ではなく「モチーフ」と表記しているんです。史実をベースにしながら、物語は大胆に作り替えられています。つまり、実話そのものではありません。
一ノ瀬りんのモデル・大関和は「明治のナイチンゲール」
大関和は安政5年(1858年)、栃木の黒羽藩で家老を務めた家に生まれました。いわゆる武家の娘です。
後に「明治のナイチンゲール」「日本初の職業看護師のひとり」と呼ばれる人になります。とはいえ当時は、看護がまだ職業として認められていない時代。その常識を、内側から変えていった一人が大関和でした。
武家の娘が、なぜ看護の道へ進んだのか
転機は、明治14年(1881年)の上京でした。ここで大関和はキリスト教と出会います。そして牧師・植村正久のすすめで、桜井女学校附属看護婦養成所の第一期生として学び始めました。
1888年、正式な訓練を受けた「トレインド・ナース」になります。桜井女学校から帝国大学医科大学附属第一医院で学んだのは、大関和を含むわずか6人。まさに日本の看護の第一世代でした。その後は同院で看護婦長を務め、新潟・高田の知命堂病院では初代看護婦長になっています。
明治42年(1909年)には、東京・神田猿楽町に「大関看護婦会」を設立します。患者の家へ出向いて看護する「派出看護」に力を注ぎ、看護師の地位を上げること、後輩を育てることに生涯をかけました。
もう一人の主人公・大家直美のモデルは鈴木雅
上坂樹里さん演じる大家直美のモデルは、鈴木雅(すずき まさ)です。鈴木雅もまた、大関和と同じ時代に看護の世界へ飛び込んだトレインド・ナースの一人でした。
実はこの2人、ドラマの中だけの関係ではありません。大関和は東京看護婦会で、鈴木雅の後を継いで会頭を務めたとされています。史実にあった縁が、ドラマの「2人の絆」の下敷きになっているんですね。
ドラマと史実はどこが違う?
さきほど触れたとおり、NHKの表記は「モデル」ではなく「モチーフ」。ここに違いのヒントがあります。
一ノ瀬りん・大家直美という名前は、どちらも架空です。史実の2人に、ドラマのようなW主演コンビの記録が残っているわけでもありません。史実を大筋の背景にしながら、2人を主人公に据えて物語を大きく再構成しているんです。
だから「どこまで本当?」と気になったら、大筋は史実・細部はフィクション、と思って見るとちょうどいいと思います。その分、実在の大関和や鈴木雅の歩みを知っておくと、りんの一歩の重みがぐっと伝わってきます。
『風、薫る』の舞台はいつの時代?
物語の舞台は、明治時代です。大関和が上京したのが明治14年(1881年)、大関看護婦会を立ち上げたのが明治42年(1909年)。ちょうど日本に西洋医学が広まり始め、病院や看護のしくみが一から作られていった時期にあたります。
今では当たり前の「看護師」という仕事が、まだ形になっていなかった時代。そんな中で道を切り拓いた2人だからこそ、ドラマで描かれる一歩一歩に重みが出てきます。
『風、薫る』の世界をもっと味わうなら
朝ドラは毎朝15分。見逃した回や、物語の背景をもっと知りたくなったら、配信でまとめて楽しむのもおすすめです。明治の時代を描いた作品や、心に残る人間ドラマにひたる時間は、家事の合間のちょっとした贅沢になりますよ。
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まとめ
最後に、この記事のポイントを整理します。
- 一ノ瀬りん(見上愛)のモデルは大関和、大家直美(上坂樹里)のモデルは鈴木雅
- 2人とも明治時代のトレインド・ナースで、大関和は「明治のナイチンゲール」
- 大関和は栃木・黒羽藩の武家の娘。上京後、キリスト教との出会いから看護の道へ
- NHKの表記は「モチーフ」。史実がベースだが、名前も物語も創作されている
武家の娘が、当時は低く見られていた看護に人生をかけた——そう知ってから見ると、りんの選ぶ一歩の重みが変わって見えます。

