M-1グランプリ2025|決勝9組の優勝候補ラインと勢力図を整理してみた
2025年のM-1グランプリ決勝には、真空ジェシカ/豪快キャプテン/ヨネダ2000/めぞん/ドンデコルテ/エバース/たくろう/ヤーレンズ/ママタルトの9組が進出しました。
今年は公式会見コメントやFANY・QJのレポートでも「例年以上にキャラと世界観がハッキリしたメンバー」と言われていて、王道しゃべくり・世界観重視・型崩しがバランスよく揃っているのがポイント。
この記事では、一次情報をベースに
- 優勝候補ライン
- タイプ別の勢力図
- 決勝で評価されやすいポイント
- 過去データから見る「出番順」の有利不利
- それぞれのコンビが「勝ち筋」と「崩れる可能性」
を、テレビで見る前にサクッと整理しておきます。
優勝候補ラインはこの3組+準候補2組
まずは、公式会見やレポートで「優勝を強く意識している」ことが明言されている、決勝常連組から。
- 真空ジェシカ:5年連続決勝。川北さんが「令和ロマンもマヂラブも2回しか決勝に行っていないザコ」と冗談を飛ばすくらい自信と余裕アリ。大会用のネタ構成や会場での戦い方の経験値は、9組の中でも頭ひとつ抜けています。
- ヤーレンズ:3年連続決勝。「そろそろ優勝したい」とハッキリ口にしていて、昨年の最終決戦進出で“王道路線で勝つ筋道”を体感済み。しゃべくりの密度は今年もトップクラス。
- エバース:昨年4位からのリベンジイヤー。「今年は2回目なので獲るしかないっしょ!」と会見で宣言していて、ネタ選択を完全に“優勝狙い”に振っているコメントが印象的でした。
この3組に加えて、
- 豪快キャプテン:昨年から芸人間で「優勝確定」とまで噂されていた劇場本命。ついに決勝進出を果たし、観客との向き合い方もチューニングしてきたと言われています。
- ヨネダ2000:3年ぶりの決勝で、ネタの洗練度もテレビ慣れもアップ。世界観とリズムで一発ハマったときの爆発力は、今年も要注意。
この「上位候補3組+準候補2組」が、一次情報だけで見たときの“優勝候補ライン”です。
タイプ別・決勝9組の勢力図
次に、9組をざっくりとタイプ別に分けてみます。
しゃべくり・構成型(言葉と構成で押すライン)
- 真空ジェシカ:理屈とフレーズを積み上げていく“思考型シュール漫才”。言葉遊びとロジックの飛躍で攻めるタイプ。
- ヤーレンズ:古典的な掛け合いのリズムに現代的なネタ構成を載せた、正統派しゃべくり。とにかくネタの密度が高い。
- エバース:佐々木さんの突拍子もない提案と、町田さんの正論ツッコミで進む“会話ドラマ型”。フレーズの強さも武器。
- 豪快キャプテン:関西劇場仕込みの「勢い+しゃべくり」。王道の中に、耳に残る変なフレーズをねじ込むスタイル。
世界観・キャラ重視ライン
- ヨネダ2000:リズム・動き・掛け声を混ぜた“世界観重視型”。意味は分からないのに笑える中毒性が魅力。
- めぞん:日常シチュエーションにじわじわ狂気を足していく“じわじわ系”。気づいたらハマっているタイプの漫才。
- ママタルト:大鶴肥満さんのキャラと幸福感のあるネタで、会場全体を明るく包み込む“ハッピー漫才”。
リズム/型崩し・変則ライン
- ドンデコルテ:設定とストーリー展開で見せる“構成派型崩し”。オチまでの伏線回収の気持ちよさが武器。
- たくろう:言葉をひねり出す過程そのものを笑いにする、変則しゃべくり。変な例えや妙な言い回しがクセになるタイプ。
こうして見ると、「しゃべくり・構成型」が4組、「世界観・キャラ型」が3組、「型崩し」が2組というバランス。
今年のM-1は、全体として“言葉と構成寄りの大会”になっているのが分かります。
決勝で毎年評価される3つのポイント
過去大会の審査員コメントや公式記事から、M-1決勝で繰り返し語られている評価軸は、大きくこの3つです。
- ① 4分間のストーリー性と完成度
「人生を賭けた4分」と言われるように、一本のネタとしての起承転結や構成の厚みは毎年強調されています。 - ② 会場の爆発力と、テレビ越しの分かりやすさ
敗者復活→決勝と長丁場の生放送の中で、「一発で伝わる」「テレビの前の人にも分かりやすい」ネタが高評価になりやすいと言われています。 - ③ 「新しさ」と「漫才らしさ」の両立
「今年の漫才のスタンダード」「新しい笑いを見せてくれた」といったコメントが例年出ていて、型を押さえつつどこかで“今年ならでは”を提示できるコンビが強いです。
この3つの観点で見ると、
- 真空ジェシカ/ヤーレンズ/エバース/豪快キャプテンは、構成力と爆発力の両方を持つ「評価軸と相性の良いライン」。
- ヨネダ2000/ママタルトは、世界観とキャラで「分かりやすい爆発」が出せるかどうかが鍵。
出番順はやっぱり大事? 過去データから見る有利・不利
M-1のデータ分析では、ファーストラウンドの「9番目」が最も優勝回数が多く、6番・7番も含めて中〜後半の組が有利という傾向が指摘されています。
- 1〜5番はそれぞれ優勝1回ずつで、前半はやや不利。
- 最終決戦でも「3番目」が優勝数トップクラスで、1番は得票が伸びづらいというデータも。
2025年大会は、決勝9組に敗者復活1組を加えた計10組。
敗者復活がどこに入るかで中盤~後半の空気がかなり変わるので、今年は9番だけでなく、8番・10番付近もかなりキーになりそうです。
上位候補の「勝ち筋」と「崩れるポイント」
最後に、コメントや戦歴から見える上位候補の“勝ち筋”と“崩れるポイント”をざっくり整理してみます。
真空ジェシカ
- 勝ち筋:5年連続決勝の経験値と、“今年も頭ひとつ抜けた発想力”が最大の武器。会場とテレビの両方にハマるネタを引ければ、一気に優勝圏内。
- 崩れるポイント:ワードや構成が難しく見えると、評価が割れやすいタイプ。出番順や前後の組との相性で“難解”と受け取られるリスクも。

ヤーレンズ
- 勝ち筋:「しゃべくり漫才の到達点」とも言われるネタの密度と、昨年の最終決戦経験。中〜後半の良い順番を引いて、会場を完全に温め切れば本命級。
- 崩れるポイント:完成度が高いぶん、“新しさ”や驚きの点で他の個性派コンビに埋もれる可能性。前半に来ると、印象勝負で不利になるかも。

エバース
- 勝ち筋:昨年4位からの「今年は獲るしかない」モード。フレーズの強さと会話ドラマの構成力を両立させたネタを引ければ、一気にタイトル候補。
- 崩れるポイント:昨年は本番前に「死ぬんかなってくらいえずいた」と語るほどの緊張も。メンタルと出番順で、実力を出し切れない可能性もゼロではない。

豪快キャプテン
- 勝ち筋:劇場での評価はすでに折り紙つき。東京の観客へのチューニングも済ませた状態で、“関西しゃべくりの新スタンダード”としてハマれば、ダークホースではなく本命クラス。
- 崩れるポイント:初決勝の大舞台で、いつもの勢いがどこまで出せるかは未知数。勢いよりも“いい人感”が前に出すぎると、パンチが弱く見える可能性も。
ヨネダ2000・ママタルト・たくろう・ドンデコルテ・めぞん
この5組は、「出番順とハマり具合次第で一気に浮上するライン」という見方が強いです。
- ヨネダ2000:世界観とリズムがハマれば会場を大きく揺らせる一方で、審査員の好みや前後のネタとの相性に左右されやすいタイプ。
- ママタルト:昨年最下位からのリベンジストーリーに加え、「1年間漫才だけやってきた」と語るネタ特化モード。空気さえ合えば、一気に“今年の主役”になれるポテンシャル。
- たくろう:変な言葉選びと独特のテンポで、審査員ウケも狙える通好み枠。テレビの尺と噛み合うかどうかがカギ。
- ドンデコルテ:40歳での初決勝というドラマ性も含め、“構成派ダークホース”として注目。物語性がネタの笑いを上回らないバランスに持ち込めるかどうか。
- めぞん:「何も分からないままここに来た」と話すフレッシュ枠。初見の視聴者に世界観をどう伝えるか、時間配分と緊張との戦いになりそうです。

今年のM-1は「タイプの違う9組がどう並ぶか」に注目
2025年のM-1決勝は、
- 経験値と構成力で押す常連組
- 世界観とキャラで空気を変えるコンビ
- 型崩し・変則で一気に持っていくダークホース
がきれいにそろった大会になりました。
あとは笑神籤でどんな順番が出るか、 そしてそれぞれのコンビが「どのネタを4分に切り取ってくるか」。
そのあたりを頭の片隅に置きながら見ると、今年のM-1はさらに楽しめそうです。




