『ばけばけ』トキの母・松野フミが沁みる──池脇千鶴が見せた“リアルな歳の重ね方”

『ばけばけ』でトキの母・松野フミを演じる池脇千鶴。自然な年齢の重ね方がリアルな母親像として共感を呼ぶ。

NHK連続テレビ小説『ばけばけ』で、主人公・松野トキの母・松野フミを演じる池脇千鶴さんが注目を集めています。
若い頃の繊細で可憐な印象から一転、今は“現実を生きる母の姿”そのもの。
年齢を重ねた自然な姿をそのまま映すことで、作中の母親像に深い説得力を与えています。

目次

松野フミとは──家族を支える、現実の中の強さ

フミは、出雲ゆかりの旧家に生まれた女性。
神話や怪談など“目に見えない世界”にも通じ、物語好きなトキの感性を育てた人物です。
夫・清三郎(岡部たかし)とともに家計を支えながら、時に厳しく、時に包み込むように家族を導いていく姿が印象的。

派手さはないけれど、家庭の中心に静かに立つ──そんな「暮らしの重みをそのまま纏った母」が、視聴者の共感を呼んでいます。

池脇千鶴さんの“変わらなさ”と“変化”

池脇千鶴さんといえば、10代で映画『大阪物語』『ジョゼと虎と魚たち』に出演し、透明感と繊細な感情表現で一躍注目を集めた女優。
朝ドラ『ほんまもん』(2001年)以来、24年ぶりの朝ドラ出演となります。

近年は、かつての少女的な華奢さとは対照的に、年齢を重ねた等身大の姿をそのままスクリーンに映しており、「女優らしく飾らない自然体」がむしろ魅力として語られています。
SNSでも、

  • 「池脇千鶴が本当に“母”に見える」
  • 「綺麗に年を取ってる、リアルな暮らしの顔」
  • 「若い頃の面影が残りつつ、ちゃんと大人の女性になってる」

といった声が多数寄せられています。
作り込まれた美しさではなく、“年齢のリアルさをそのまま母親像に落とし込む”表現が、多くの視聴者に刺さっているようです。

制作発表で語った、母という存在への視点

「10代や20代の頃とは違い、いまの自分が背負っている“生活や時間”をそのまま演じたい。
『ばけばけ』のフミは、奇麗すぎない現実の母として、見てくださる方に届く存在でありたいと思っています。」

この言葉通り、池脇さんの演技には、日々の暮らしを重ねてきた人だけが持つ深みが滲みます。
その“生きた年輪”が、フィクションであるドラマに確かな現実味をもたらしています。

物語上の意味──トキの原点としての母

フミは、トキの物語好きな性格の原点であり、家族をつなぐ精神的な支柱。
時代に流されず、自分の価値観で家族を守る姿は、まさに“ばけばけ”という作品全体を支える根っこのような存在です。

池脇千鶴さん自身のリアルな変化と、作品中の母・フミの生き様が重なり合うことで、「変わりながら、変わらない愛」というテーマが際立ちます。


参考・出典:NHK公式、産経新聞「emogram」、Lmaga、Yahoo!ニュース、各種インタビュー(2025年10月時点)

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