今期ドラマ『冬のなんかさ、春のなんかね』、ストーリーの派手さで引っ張るタイプではないのに、なぜか目が離せない。そんなふうに感じている人も多いのではないでしょうか。
個人的にこの作品のいちばんの魅力は、セリフや展開だけじゃなく、服・色・光・会話の“間”まで含めて、全体がひとつの空気で包まれているところ。静かで、生活感があって、なのにどこか甘い。いわゆる“世界観に浸るドラマ”です。
この記事では、「このドラマの服がかわいい」「空気感が好き」と感じた人に向けて、衣装と世界観づくりのポイントを、できるだけ分かりやすくまとめます。
このドラマの“服のかわいさ”は、頑張りすぎていないのに印象に残る
『冬のなんかさ、春のなんかね』の衣装って、いかにもドラマ用の“映える服”ではなく、かなり普段着寄りです。ベーシックなアイテム、ナチュラルな色味、素材感のある重ね着。派手に盛らないのに、見終わったあとに「なんか可愛かったな」と残る。
この“頑張りすぎていないのに、おしゃれに見える”感じが、真似したくなるポイントだと思います。「自分のクローゼットにもありそう」「でも同じにしても、たぶんこの雰囲気にはならない」…そんな絶妙さ。
さらに、古着っぽさやオーバーサイズを取り入れつつも、キャラクターが本当に自分で選んで着ていそうなリアルさがある。だから、服だけが浮かないし、物語のテンポにも自然に馴染みます。
衣装スタイリストは杉本学子さん。過去作が“好きな人には刺さる”
この作品の衣装を担当しているのは、スタイリストの杉本学子さんとして紹介されています。
杉本さんはこれまでにも、日常感がありながら知性や余韻を感じるファッションが話題になったドラマを複数手がけていて、代表的な作品として『カルテット』『大豆田とわ子と三人の元夫』などが挙げられます。


この2作が好きだった人なら、「あ、この感じ…」と思う瞬間があるかもしれません。服が主張しすぎないのに、人物の輪郭がきれいに立つ。生活の匂いがするのに、どこか洗練されている。まさに、その方向性です。
服だけじゃない。部屋の“雑味”と光のやわらかさが世界観を支えている
『冬のなんかさ、春のなんかね』が心地いいのは、衣装だけの力ではなく、画のトーン全体がそろっているからだと思います。
例えば、部屋やお店の空間。整いすぎたセットではなく、ちょっとだけ雑味がある。生活の気配がちゃんとある。美術が作るリアルさが、衣装の“普段着感”ときれいに噛み合っています。
さらに、光のやわらかさと色味。コントラスト強めの“映える画”というより、落ち着いた色調で、空気がふわっと見えるような撮り方。ここが合わさることで、服の色や素材が、よりやさしく見えるんですよね。
「会話の“間”」が、服の魅力を引き立てる
このドラマは、会話のテンポも独特です。言葉で説明しすぎず、沈黙や余白を大事にする感じ。
この“間”があるからこそ、視聴者は登場人物の気持ちを、言葉だけでなく、表情や仕草や服の変化からも受け取れる。たとえば、重ね着が増える、色が少し変わる、シルエットがやわらかくなる…。小さな変化が、ちゃんと意味を持って見えてきます。
「派手じゃないのに、ずっと見ていられる」理由って、ここにあるのかもしれません。
『カルテット』『大豆田とわ子』が好きだった人におすすめしたくなる理由
「世界観が似てる」と感じるのは、服だけが似ているからではなく、衣装・美術・光・会話のテンポまで含めて、“生活の匂いがする会話劇”の方向性が近いから。
日常の延長線上にあるのに、ほんの少しだけドラマティック。大きな事件が起きるわけじゃないのに、心の揺れが丁寧に描かれている。そこに、頑張りすぎない服がぴたりと乗る。
『冬のなんかさ、春のなんかね』は、そういう作品が好きな人にとって、かなり“居心地がいいドラマ”だと思います。
まとめ|このドラマの「かわいい」は、世界観チーム全体で作られている
『冬のなんかさ、春のなんかね』の魅力は、衣装だけを切り取っても語りきれません。
- 頑張りすぎないのに印象に残る普段着感
- 人物の内面がにじむスタイリング
- 生活の気配がある空間づくり
- やわらかな光と落ち着いた色味
- 会話の“間”が生む余韻
こうした要素が一緒になって、「静かで生活感がある、でも少しだけ甘い空気」が生まれているんだと思います。
もしあなたがこのドラマを見て、「服が好き」「世界観が好き」と感じたなら、その感覚はたぶん正しい。派手な作品ではないけれど、ふとしたときに思い出して、また見たくなる。そんなタイプのドラマです。




