M-1グランプリ決勝の「出順(ネタ順)」はどうやって決まる?
M-1グランプリの決勝では、9組の漫才師が順番にネタを披露します。この「出順(ネタ順)」は、例年決勝当日に抽選で決定するのが通例です。
事前に実力や実績を考慮して並べられるわけではなく、基本的には運の要素が大きい仕組みとなっています。
ただし、ファンの間では毎年のように「出順による有利・不利」が話題になります。
トップバッターは本当に不利なのか?
M-1では、トップバッターは不利と言われることが多いです。その理由として、次のような点が挙げられます。
- 会場の空気がまだ温まりきっていない
- 審査員が基準点を探っている段階
- 比較対象がまだ存在しない
実際、過去の大会を振り返っても、トップバッターが優勝するケースは非常に少なく、「高得点でも基準点止まりになりやすい」と言われがちです。
一方で、強烈なインパクトを残せば記憶に残りやすいという側面もあり、「会場を一気につかめるタイプのネタ」であれば、不利を覆す可能性もあります。
後半の出順が有利と言われる理由
一般的に、M-1では後半の出順が有利と見られています。
- 会場の笑いが温まっている
- 審査員の採点基準が固まっている
- 「基準点を超えたかどうか」で評価されやすい
特に6番目以降は「比較の土俵」が明確になり、ネタの完成度や爆発力がストレートに点数へ反映されやすい傾向があります。
ただし、後半は後半で「ハードルが上がる」「前の組と比較されすぎる」といった難しさもあります。
敗者復活組は出順的に不利?有利?
敗者復活組は、決勝の最後にネタを披露するケースが多く、出順だけ見ると有利に感じられがちです。
しかし実際には、
- すでにネタを1本披露している疲労
- 会場・視聴者の期待値が極端に高い
- 「勢い枠」として厳しく見られる
といった理由から、点数が割れやすいポジションでもあります。
「ウケているのに点数が伸びない」「審査員によって評価が真逆になる」といった現象が起きやすいのも、この敗者復活枠の特徴です。
今年の審査員構成から見る「出順の影響」
今年のM-1審査員は、例年に比べて構成力・完成度を重視する傾向が強い布陣です。
そのため、
- 前半でも「完成度が高いネタ」はしっかり評価される
- 勢いだけのネタは点が伸びにくい
といった傾向が出る可能性があります。
詳しい審査員の特徴については、別記事でまとめています。

結局、出順より大事なことは何?
毎年話題になる出順の有利・不利ですが、最終的に勝敗を分けるのは、
- ネタの完成度
- 3~4分で世界観を作れるか
- 審査員に「明確な評価ポイント」を残せるか
という点に尽きます。
出順はあくまで条件のひとつ。どの順番であっても、「今年いちばん評価される漫才」を見せたコンビが、最後に優勝トロフィーへ近づくことになります。





