バカリズムはなぜ“脚本家”として高く評価されるのか
お笑い芸人、タレントとして知られるバカリズムさん(升野英知)は、脚本家としての評価も非常に高い人物です。日常の小さな違和感や、非日常との境界線をユーモラスに描く独特の世界観が魅力で、観る人の心に残る物語構成が支持されています。近年は連続ドラマの脚本を多数手がけ、2027年にはNHK連続テレビ小説(朝ドラ)の脚本に抜擢されるという大きなニュースも話題になりました。
ここでは、2025年までのバカリズム脚本作品とその特徴・受賞歴をまとめて紹介します。
連続ドラマ脚本作品(2025年最新)
◆ 殺意の道程(2020/WOWOW)
父の死をきっかけに、息子とそのいとこが初めて“殺人計画”に踏み出すというサスペンスコメディ。バカリズムさん自身と井浦新さんがW主演を務め、ユーモアと緊張感のバランスが絶妙な作品です。
◆ 生田家の朝 Season2(2019/日本テレビ)
サラリーマン家庭の“朝の10分間”を切り取ったショートドラマ。ユースケ・サンタマリアさんが主演を務め、生活のリアリティとクスッと笑える脚本が評判に。
◆ ブラッシュアップライフ(2025年1月期/日本テレビ)
人生を何度もやり直す“タイムリープ”を題材とした物語。小さな出来事が大きな未来に繋がる構造の面白さや、伏線回収の巧みさが注目されています。2023版のヒットを経て、新シリーズにも期待が高まっています。
◆ ホットスポット(2025年1月/日本テレビ)
地方都市に暮らすシングルマザーと、ひょんなことから出会った“宇宙人”との交流を描くSFコメディ。日常と非日常を違和感なく織り交ぜるバカリズム脚本の真骨頂といえる作品です。
単発ドラマ・スペシャルドラマ
◆ 侵入者たちの晩餐
東京ドラマアウォード・単発ドラマ部門優秀賞を受賞した作品。ウィットと緊張感を併せ持つドラマとして評価されました。
◆ ノンレムの窓 シリーズ
毎回異なるテーマで構成されるショートショート集。2025年新春には第7弾が放送され、古田新太さん、中村倫也さんら豪華キャストが参加。バカリズム脚本の世界観をコンパクトに体験できる作品群です。
バカリズム脚本の受賞歴
- 「架空OL日記」:第36回向田邦子賞
- 「ブラッシュアップライフ」:東京ドラマアウォード脚本賞、橋田賞
- 「ホットスポット」:放送文化基金賞・脚本賞
- 「侵入者たちの晩餐」:東京ドラマアウォード単発ドラマ部門・優秀賞
- 「素敵な選TAXI」:市川森一脚本賞奨励賞
バカリズム脚本の特徴
バカリズム脚本の魅力は、大きく次の5つに整理できます。
- 日常×非日常の組み合わせ:生活のリアルさとSF的アイデアの境界が自然。
- 巧みな伏線回収:伏線を綿密に張り巡らせ、最終回で一気に快感が訪れる作品が多い。
- 時間構造の自在な操作:タイムリープ・視点変更などを使った“構造の面白さ”。
- ユーモアと皮肉のバランス:芸人としてのセンスが脚本に自然に溶け込む。
- 物語の“余韻”を重視:最終回後に考えさせる、静かな力を持つ作品が多い。
最新情報:2027年のNHK朝ドラ脚本に抜擢
2027年に放送予定のNHK連続テレビ小説で、バカリズムさんが脚本を担当することが報じられました。これまでの受賞歴や作品の評価、視聴者からの支持を考えると、朝ドラ脚本家としての抜擢は必然ともいえる流れ。
「日常の愛おしさ」と「少しの非日常」のバランスを描ける脚本家だからこそ、NHKが選んだ理由にも納得できます。
まとめ:バカリズム脚本の魅力は“構造と余韻”にある
バカリズムさんは、芸人という枠を超え、脚本家として独自の地位を築いてきました。緻密な構成力、日常のユーモア、予想外の展開など、彼にしか書けない世界観が多くの視聴者を惹きつけています。
2027年の朝ドラ脚本がどのような物語になるのか、今後の発表が楽しみです。




